どれも良い経験だった話。

 

 

わたしがジャニーズに興味を持ったのは小学6年生の頃。当時、わたしの姉は嵐の櫻井翔が好きだった。姉が見るからそのついでにと山田太郎ものがたりを見ていたとき、「にのと翔くんやったらどっちが好き?」と聞かれた。2人に関して特に興味はないし、正直どっちでもよかったから「う〜ん、どっちも普通」と答えた。それなのにしつこく、どっちか選んで!なんて言われるもんだから母親に非難されないように母親が選んだ二宮和也にした。ただそれだけ。それだけのことだった。でも言霊はすごかった。これを言った次の日からなんとなく二宮さんのことを目で追ってしまう自分がいた。かっこいい。かわいい。おもしろい。いつの間にか好きになっていた。そしてのめり込んでいた。このままずっと二宮さんが、嵐が好きなんだろうな〜〜〜〜、と思っていた。現に姉はその後AAAを好きになっていったけどわたしは嵐のままだったし、自分の性質的に他に新しく好きな人やグループができることを全く想像できなかった。

 

高校生になった頃、同じクラスにJr.好きな子がいた。その子も元は嵐が好きでよく話した。ある日「Jr.にね〜〜、にののこと憧れてる子がいて、にのがお腹を1個に割るシステムって言ってたやん?あれ真似しとんよね〜〜」なんて言ってきた。へぇ〜〜、二宮さんのこと憧れてる人なんているんだ、物好きだなぁ(失礼)なんて思ったし、Jr.なんて今後たくさん脱ぐ仕事あるだろうに腹筋なくていいのかな、二宮さんなんてシステム開発したんだ。って思ってた。そのくらい。へぇ〜〜〜〜〜〜〜〜。程度。別にその子に関して知ろうとも思わなかった。

 

 

 

 

高校3年生の頃、久しぶりに嵐が表紙のドル誌を買った。ビジュがよかった。みんなが可愛かった。買わねば!という義務感に駆られた。それをJr.が好きな友達に言ったら「そういえば前に言ったにのに憧れとる子の特集がそれにあるよ〜〜」と言ってきた。それがこれだった。f:id:chun91:20170619000726j:image

わたしが西畑大吾を初めて見た瞬間だった。特にビビっとはこなかった。回答を見ているとほんとに二宮さんに憧れてるんだな〜〜って感じた。それだけ。顔は覚えたけど名前は覚えなかった。

 

 

 

 

Jr.好きな友達はよく高校にドル誌を持ってきた。それを受験勉強の休憩がてらによく読んだ。初めて読んだ記事からなんだかんだあの子のことが気になって、コメントをよく読んだ。へぇ〜〜、西畑大吾って言うんだ〜〜。へぇ〜〜、そうなんだ〜〜。と頭の中で相槌を打ちながら読んでいた。そしたらあの子が語る嵐に関すること、二宮和也に関すること、全てに「わかる〜〜〜〜!うん、わかりすぎる〜〜〜〜!!!」と相槌を打っていた。わたしと同じ考えじゃんこの人。って衝撃を受けた。この時に顔も名前もちゃんと覚えた。ついでに彼の所属してたグループ名も。

それから彼のことが気になって、とりあえず友達に教えてもらったまいジャニを見始めた。こんな人なのか〜〜。かわいいなぁ〜〜。二宮さんに一途じゃん、かわいい〜〜。歌ってる〜〜、ダンスしてる〜〜、かわいいなぁ〜〜。

 

 

 

 

 

 そしていつの間にか、はぁ〜〜、好きだなぁ〜〜。と思うようになっていた。

 

 

 

 

 

 

二宮担だったわたしは、他に新しく好きな人ができることを想像できなかったわたしは、二宮和也を好きになるのと同じようにいつの間にか西畑大吾を好きになっていた。そう。いつの間にか。

 

 

 

 

 

西畑担になった最初はとても緩かった。もともと調べるのが苦手で嫌いなわたしは彼に関する動画も全く漁らないし、昔のことも調べようとしなかった。(今でも調べない。)周りにJr.担の友達もおらず、とりあえず番組を見て、Twitterをして、現場に行く。現場に関しても当たれば行く外れたら行かない。そんな感じだった。

 

そんな生活を送る中でわたしはある2人に出会った。この出会いがわたしを変えた。出会った2人とも自担に一途だった。伝染するようにわたしも一途になった。二宮和也を好きになった時とは比べ物にならないくらい重くなった。そして、いわゆる同担拒否になってしまった。それまで同担さんが一番好き!同担拒否とは一体?って思ってたのにね。好きって怖いなと思う。他の人が彼に沸いてるところを見るのが嫌だった。他の人より自分の方がもっと好きって思ってる。なんで君は一途なのに掛け持ちしてるの?なんで君は一途なのに自担じゃない人にそんなに沸いてるの?なんでそんな人がコンサート当たってるの?え?なんで?わたしの方が絶対好き度は高いのに?当時のわたしは真剣に悩んで重くなって狭くなって苦しくなっていった。抜け出したいと心の底から思ってるのに抜け出せなかった。なぜ自分はこれほどにも好きなのにチケットが当たらないのか、彼を見ることができないのか。そんな醜い感情はわたしの金銭感覚を狂わせ始めた。現場に行く回数が増え始めた。現場では自分の見ていない瞬間なんてないくらいに彼を見た。お金がないからしょうがないのに自分よりも多く入ってる人を見て妬んだ。とても心がしんどかった。あれ?ジャニヲタってこんなに苦しみながらするもんだっけ?と、楽しくないと思うこともあった。

 

 

 

 

もちろん同担拒否という病を治そうともした。でもやっぱりどうしても無理だった。 

 

 

 

 

15年の夏に少年たちを見に行った。彼がセンターを張ってる姿を見た。違和感を覚えた。普通は自担がセンターであることを喜ぶべきなのに、しっくりこなかった。端っこでニコニコ笑ってる彼が好きだったから。素直に喜べない自分にイライラした。彼は必死にセンター張ってるのになんでファンであるわたしは喜べないんだろう。なんでこんなに好きなのに、誰よりも好きなのに喜べないんだろう。わたしって西畑担だよね?そういう疑問まで出てきてしまった。つらかった。

 

そんな時に目の前に現れたのが正門良規だった。 恥ずかしながらまさかどくんの声を聞いたのは少年たちが初めてだったが、一瞬にしてその声に魅了された。あの耳をくすぐるあの声。そしてなぜだか安心するあの声。同担拒否の西畑担だったのに、愛しの彼が頑張ってセンターを張っているのに、まさかどくんに心を奪われていた。今の彼には違和感を感じる、わたしがずっと好きだった彼はどこに行ったんだろう。なんて思いながら、まさかどくんの声を聞いて心をくすぐられた。そんな中でわたしの脳裏に浮かんだのは「担降り」の言葉。もし担降りすればこの違和感から解放されるし、いままで苦しかったものからも解放されるんじゃないか。楽しくジャニヲタできるんじゃないか。愛しの彼も昔よりファンは増えたし、1人減るくらい大丈夫だろう。真剣に考えた。苦しかった。だけど結局、現場で私が目で追うのはやっぱり愛しの彼で、まさかどくんではなかった。1回だけ、積極的にまさかどくんを見よう!と思った時があった。頑張ってまさかどくんを見ていた。だけど、愛しの彼が視界に入ってくる。わたしが見ていない瞬間の彼がいる。そんなの無理だった。結果、わたしはどんなに違和感を感じても彼から離れられず、担降りなんてできなかった。

 

 

 

わたしはその時に、一途なのに掛け持ちするってこういうことなのか。担降りするとはこういうことなのか。自担ではない人に沸くとはこういうことなのか。とても納得がいった。好きという感情が突発的に起こるときもある。いくら1人の人を好きでも、自分でも予測のできない「好き」が自分でも予測ができない「人」に生まれてしまうことがある。それが掛け持ちや担降り、自担以外に沸くことに繋がるのか。なるほど。

 

 

 

 

「好きになってしまったんだからしょうがない」

 

 

 

 

なんだ、こういうことか。しょうがないじゃん。わたしの心が楽になった瞬間だった。

 

 

 

しかし、それでもなおわたしの同担拒否は治らなかった。もはや拒否というより同担が恐怖だった。これで新しい同担と繋がったとしても前みたいな感情を抱いてしまったら。塞ぎ込んでしまったら。彼のことは好きなのに、大好きなのに、ジャニヲタって楽しいものなのに、楽しいと思えなくなる。そう考えると恐怖だった。

 

 

 

その恐怖を乗り越えるための背中を押してくれたのは周りの友人だった。特別何かをされたわけではない。わたしが一途だったようにわたしの周りの友人も各々自担に一途で、わたしの彼のことなんて見ていなかった。それだけだ。「ここがカッコよくてね!!!!」「ここの〇〇がよかったんよね〜」と友人たちに言ってみても返事は「カッコいいというより可愛いじゃない?」「ごめん、見てなかった」というものだった。しょうがない。みんなは各々自担に一途なんだ。しょうがない。頭では分かっていたけど、それが不満として心の中に積み上がっていった。わたしは心の底から共感を欲した。

 

 

 

共感欲しさに勢いで同担と繋がっていった。みんな心が広くて優しくて、わたしを歓迎してくれた。嬉しかった。「ここかっこよくない???」という問いかけに「わかる!!!!!!!」と答えてくれるだけで涙が出るほど嬉しかった。いつの間にか同担恐怖という病が治っていた。

 

 

 

今では、彼に一途なのは変わらないが、他の人を見て「かっこいい!!」と沸いたり、小さい子を見て「可愛い、お腹いっぱいご飯を食べさせてあげたい。」と母性(?)を抱いたりしている。昔、自分が苦手としていたヲタクとして、とても楽しく過ごしている。だってしょうがないじゃん!!!!みんなかわいいんだもん!!!!

 

 

 

 

苦しかったあの頃の自分になにか言うとしたら

もっと気楽に考えよ?心を広く、柔軟に考えよ?好きになったもんはしょうがないし、他人がどうすることもできないんだよ?他の人と好き加減を比較して一喜一憂するよりも他の人と好きなポイントを共感し合う方が何倍も楽しいよ?究極を言ってしまえば、どうせ趣味なんだから楽しんだもの勝ちだよ???

ということだ。

 

 

 

 

 

同担拒否に関しては、ならなければよかった。とは思っていない。同担拒否になったおかげで共感することの嬉しさ、楽しさ、おもしろさをより強く実感できたんだから。良い経験をしたもんだ、と思ってる。

 

 

 

今後もずっとみんなかわいい( ◜◡◝ )なんて思いながら彼を一途に想って、みんなと好きポイントを共感し合って西畑担をするつもりだ。担降りするつもりもないし、ヲタ卒をするつもりもない。むしろできない。15年夏のあの一件以来、どうなっても彼から離れることなんてできないんだと思ってるし、ジャニーズWESTの初ドーム公演を目の当たりにした瞬間、「わたしはずっと彼を応援し、大きくなっていく姿を見ていくんだ」と感じたから。

 

 

 

 

 

 

そんなこと言いながらポッと出のJr.に心を奪われて担降りでもしてたら盛大に笑ってね\(^o^)/